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空家を相続したとき税金計算はどうなる?重要なポイントと流れを解説

嶺山 友紀

筆者 嶺山 友紀

不動産キャリア15年


相続した空家に関する税金の計算について、悩まれている方も多いのではないでしょうか。相続税や登録免許税、さらにはその後発生する固定資産税など、税金にはさまざまな種類があり、それぞれ計算方法や注意点が異なります。本記事では、空家を相続した場合に押さえるべき税金の基本や具体的な計算手順、また節税につながる特例について分かりやすく解説します。安心して手続きを進めるためのポイントを一緒に学びましょう。

相続した空家にかかる税金の基本の把握

相続によって空き家(住宅用の土地・建物)を取得すると、まず「相続税」が課される可能性があります。相続税は〈課税対象となる遺産の総額〉が「3000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除額を超えた場合に発生します。さらに、自宅など特定の宅地について「小規模宅地等の特例」が適用される場合、最大で80%評価減が可能です。これにより税負担が大きく軽減されることがあります。

また、不動産を相続した際には「登録免許税」が必要です。これは不動産登記(名義変更)の際に課され、固定資産税評価額×0.4%で計算します。たとえば評価額1,000万円なら4万円になります。なお評価額が100万円以下の土地については、令和7年3月31日までは免税となる特例もあります。

さらに、空き家を保有し続けると、毎年「固定資産税」と「都市計画税」が課税されます。固定資産税は土地・建物の評価額に対して課され、都市計画税は市街化区域内にある場合に課される地方税です。住宅用地の特例が適用される場合、小規模部分は固定資産税評価額の1/6、それを超える部分は1/3に軽減されます。しかし、建物が倒壊の危険などで「特定空家等」に指定されると、特例が受けられず税額が最大で6倍になる場合があります。

以下に、相続した空き家にかかる主な税金と計算の概要を表にまとめます。

税金の種類 課税対象・計算方法 概要
相続税 課税遺産総額−基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人) 小規模宅地等の特例で評価額を最大80%減可能
登録免許税 固定資産税評価額×0.4% 登記の際に納付。評価額100万円以下の土地は免税対象
固定資産税・都市計画税 (評価額−住宅用地特例)×各種税率 特定空家等になると軽減措置が外れ、税負担が大幅に増加

相続税の具体的な計算方法と注意すべきポイント

相続税を計算する際には、まず評価額を基に「課税遺産総額」を求め、そこから税率・控除額を適用して税額を算出します。以下に手順と注意点をわかりやすく整理しました。

ステップ内容ポイント
① 評価額の算出 相続財産の評価(空家の固定資産評価額など)を合算 正確な評価額の把握が重要です
② 課税遺産総額の計算 課税価格の合計額 − 基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の人数) 法定相続人の人数の数え方に注意(相続放棄や代襲相続など含む)
③ 相続税額の算出 (課税遺産総額を法定相続分で分割)× 税率 - 控除額 速算表を使い、法定相続分で仮計算するのが基本です

まず、法定相続人の人数は、基礎控除額の計算(3,000万円+600万円×人数)で重要です。法定相続人には配偶者が常に含まれ、その他には子ども、父母、兄弟姉妹の順に順位があります。相続放棄があっても数えるのが原則で、代襲相続人も含むため、状況に応じて人数が変動します。養子がいる場合も、実子ありなら1人まで、実子なしなら2人まで計算に含められます(例:法定相続人4人なら基礎控除額は5,400万円)。【表参照】

次に、課税遺産総額は、評価額の合計から基礎控除額を差し引いて求めます。差引額がゼロ以下なら相続税は発生せず申告不要です。例えば、資産額1億円、法定相続人3人の場合、基礎控除は4,800万円となり、課税遺産総額は5,200万円となります。

最後に相続税額は、まず課税遺産総額を各相続人の法定相続分で仮分割し、その額に対して速算表の税率と控除額を当てはめて計算します。例えば、配偶者と子ども2人(計3人)の場合、法定相続分に基づく税額を合計すると全体の相続税額となります。その後、実際の取得割合や配偶者控除、未成年控除などを適用して、個別の納税額を調整します。

こうしたステップにより、空家を相続した方も実際にどれくらいの税額が発生するかを具体的に把握できます。評価額の確認や法定相続人の数え方など、誤りが多い部分もあるため、必要であればぜひ当社までご相談ください。

空き家売却で使える税金の特例と譲渡所得の計算

相続した空き家を売却する際には、「譲渡所得税」の計算や、それを軽減する特例が重要になります。具体的には、まず譲渡所得の計算式をご紹介します。譲渡所得は次のように求められます:
譲渡所得=譲渡収入(売却金額)−取得費−譲渡費用 取得費には購入代金や仲介手数料、印紙代、登記費用などが含まれ、譲渡費用には売却のための仲介手数料などが含まれます 。

買い替えなど他の優遇制度と同様の計算で、分かりやすくまとまっています。次に、所有期間による譲渡税率の違いを見てみましょう。相続した空き家の所有期間は、被相続人の所有期間と相続人に移った後の期間を通算します。所有期間が5年を超えると「長期譲渡所得」に分類され、税率はおよそ20%程度となります(復興特別所得税を含みます)。

ここからが節税の肝となる「相続空き家の3000万円特別控除」、通称「空き家特例」です。相続または遺贈で取得した被相続人の居住用空き家とその土地を、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大で3000万円が控除されます。

この特例の主な適用要件を、分かりやすい表にまとめました:

要件内容ポイント
適用期限相続開始から3年後の年末(12月31日)まで令和9年(2027年)12月31日までの適用
建築時期・耐震昭和56年5月31日以前の建物で旧耐震基準耐震工事または買主による解体でも可(翌年2月15日まで)
相続内容土地と建物を一括で相続すること別々に相続した場合は適用不可
譲渡先第三者への売却親族や同族会社への売却は対象外
譲渡価格1億円以下(固定資産税等の清算金含む)要件満たさなければ控除不可

以上のように条件が整えば、譲渡所得から3000万円を控除できます。例えば、譲渡所得が3650万円(譲渡価格−取得費−譲渡費用)で、長期譲渡税率20%が適用される場合、従来の納税額は約730万円ですが、特例を使えば譲渡所得は650万円となり納税額は約130万円と、約600万円の節税になる可能性があります。

計算をスムーズにするための準備と流れ

相続した空き家の税金を正しく、かつ迅速に計算するためには、事前の準備と流れの把握が欠かせません。以下では必要書類と計算の流れ、さらに専門家への早めの相談の重要性をご紹介いたします。

準備する項目 必要な内容 理由や備考
固定資産税評価額 昨年度の課税明細書など 登録免許税の基準額および固定資産税・都市計画税の確認のため
取得費・譲渡費用 売買契約書、領収書、仲介手数料、印紙代など 譲渡所得の算出に必要。資料がない場合は概算取得費(売却価格の5%)を用います
相続税額と申告書 相続税の納税通知書、申告書一式 取得費に相続税額を加算できる特例(「取得費加算の特例」)の適用判断のため

次に、相続税と譲渡所得税の計算フローを段階的に整理いたします。

まず、(1)「相続税」を計算される場合は、課税財産総額から基礎控除額を差し引き、法定相続人ごとに税率・控除額を適用し、相続税の総額を算出します。これにより相続税額が確定します。

その後、(2)「譲渡所得税」は、譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)で譲渡所得を算出し、所有期間に応じた税率を乗じて計算します。相続の場合、親の所有期間を引き継ぎ、長期譲渡所得として税率が低くなることが多いです。

さらに、(3)適用できる特例がないかを検討します。「空き家の譲渡所得3000万円特別控除」や「相続税取得費加算の特例」がありますが、併用はできません。どちらの適用が税負担軽減につながるか、早期に確認することが大切です。

以上の計算を進めるにあたって、ご自身だけで行うのが難しいと感じられる場合は、どうか早めにご相談ください。専門家である私たちは、税制や法令に精通しており、お客様それぞれのケースに応じた最適なご提案が可能です。税務上の不安を解消し、空き家の有効活用や売却に向けた第一歩を安心して踏み出せるよう、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。

まとめ

空家を相続した場合、まず相続税や登録免許税、固定資産税など複数の税金が関係するため、各税の計算方法や控除内容を理解しておくことが大切です。さらに、売却時には譲渡所得税が発生し、適用できる特例もありますが、計算過程や必要書類の準備に戸惑う方も少なくありません。不明点をそのままにすると不要な費用負担や後悔につながるため、早めに専門家へご相談いただくことで安心して手続きを進めることができます。

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