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空家を売却する方法は何がある?選択肢や流れも紹介

嶺山 友紀

筆者 嶺山 友紀

不動産キャリア15年


空家をそのままにしておくと、さまざまなリスクや余計な負担が生じます。では、空家の売却を考える際、どのような方法や準備が必要なのでしょうか。「どこから手を付けて良いかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。本記事では、空家売却の基本から売却方法、費用や税金の節約ポイント、そして早期売却の重要性まで分かりやすくご案内します。空家売却で大切なポイントを、順を追ってご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

空家を売却する前に知っておきたい基本事項

空家を売却する際には、まず対象となる空家の特徴や売却が難しいケースを押さえておきましょう。たとえば、市街化調整区域にある空家や再建築不可の土地などは、利用や建築に制限がかかるため、買い手がつきにくくなります。また、立地が著しく不便な場所では、売却までに時間を要することもあります。

次に、空家をそのまま売却する場合と、解体して更地にして売る場合の違いを理解しましょう。建物を残したまま売却する場合は、解体費用が不要で税金の軽減措置が継続されるメリットがありますが、老朽化が進んでいると買い手が敬遠する恐れがあります。一方、解体して更地にする場合は買い手が付きやすくなり、売却スピードも早まりますが、解体費用や固定資産税の増加リスクが伴います。

最後に、売却前に必要な準備として、登記の状況や抵当権の有無、名義人の確認を忘れてはいけません。これらの手続きが未整備だと、売却の進行に支障を来す可能性があります。特に、抵当権が残っている場合は抹消が必要で、名義人が複数いる場合は合意取得に時間がかかることもあります。

項目そのまま売る場合解体して更地にする場合
メリット解体費用不要、税軽減継続買い手が付きやすい、管理負担軽減
デメリット老朽化で売れにくい可能性解体費用負担、税負担増
注意点固定資産税が上がる場合あり

売却方法とその適した選択肢

空き家を売却する際、方法によってスピードや手間、売却額に大きな違いがあります。ここでは、「仲介」「買取」「空き家バンク」の三つの方法を比較して、それぞれの特徴をご紹介いたします。

まずは「仲介」による売却方法です。仲介では、不動産会社が一般の買い手を探して販売を進めます。相場に近い価格で売却できる可能性が高く、高く売りたい方に適しています。しかし内覧対応や清掃、広告掲載などの準備が必要で、成約までに概ね三~六か月ほどの時間がかかるケースが多くあります。また、不動産の状態に応じて契約不適合責任を負う可能性がある点も考慮が必要です。

つぎに「買取」による売却方法です。こちらは不動産業者に直接買い取ってもらう方法で、仲介手数料が不要であることや、内覧や広告の必要がないため、非常に迅速に現金化できる点が最大のメリットです。最短では一週間ほどで売却が完了する場合もあります。その反面、売却価格は市場価格の70~80%程度に下がることが多く、場合によっては50%台となるケースもあります。

最後に「空き家バンク」の活用です。これは地方自治体が運営するマッチング制度で、空き家の所有者が自治体へ登録し、自治体のウェブサイト上で買いたい方に情報を公開します。登録や掲載は原則無料で、自治体によってはリフォーム費用や移住支援の補助金が得られる場合もあります。自治体の地域活性化の一環として注目されており、地域に根ざした売却を望む方に適しています。ただし、買い手が見つかるまでに時間がかかることや、契約や交渉、トラブル対応を自身で行う必要がある点には注意が必要です。

以下にこれら三つの方法の特徴を比較した表をご覧ください。

方法スピード売却価格の目安主なメリット・特徴
仲介数か月相場どおり〜高値が期待でき、買い手の幅が広い
買取最短1週間〜相場の70〜80%程度迅速な売却、諸手続きの簡略化
空き家バンク自治体により異なるまちまち掲載無料、補助制度あり、地域重視の売却

ご自身のご希望や状況に応じて、まずは「仲介」「買取」「空き家バンク」のいずれか、あるいは複数の方法を併用しながらご検討いただくことをおすすめいたします。

売却にかかる費用・税金と節約ポイント

空き家を売却する際には、いくつかの費用や税金がかかります。代表的なコストとして、次のようなものが挙げられます。

項目内容節約のポイント
印紙税・仲介手数料・登記費用売買契約の印紙代、仲介を利用する場合の手数料、登記の変更などにかかる費用仲介契約内容を比較し、必要最小限の手数料体系を選ぶ
解体費用・清掃費用建物を解体して更地にする場合の解体費、売却前清掃の費用業者間で見積を比較し、自治体補助を利用する
登記・相続関連手続き費用相続登記や抵当権抹消登記、名義変更に必要な諸費用司法書士に依頼する際は費用の明示された複数の見積を取得する

これらの費用は、売却方式や建物の状態によって差が出ます。複数の業者に相談し、見積もりを比較することで、コストを抑えることが可能です。

次に、税金面の支援制度として、特に注目されるのが「譲渡所得の特別控除」です。相続や遺贈により取得した空き家を一定の要件に従って売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度があります。これにより、譲渡所得税の負担を大きく減らすことができます。

例えば、譲渡価格が7,000万円で取得費が2,000万円、譲渡費用が1,000万円の場合、特例を利用しなければ税率約20%に応じて税金は約813万円になります。一方、特例を適用すれば税額は約203万円となり、約600万円の節税効果が期待できます。

この特例を使うには、昭和56年5月31日以前に建てられた被相続人の居住用家屋であること、耐震基準を満たすか建物を解体して敷地を譲渡すること、相続開始から3年以内に譲渡することなどの要件があります。また、譲渡対価が1億円以下であること、共有の場合は持ち分に応じて控除が行われることなども条件です。これらを満たせば、売却利益が3,000万円以下であれば税負担がゼロになる場合もあります。制度を適用するには、「被相続人居住用家屋等確認書」を自治体に申請し、譲渡後の確定申告時に添付する必要があります。

:空家放置リスクと早期売却の重要性

空家を放置すると、所有者にとって大きな負担となる法的・経済的リスクが生じます。まず、「特定空き家」と認定されると、住宅用地に対する固定資産税の軽減措置が適用されず、税額が最大で6倍に跳ね上がるおそれがあります。また、「管理不全空き家」として、特定空き家になる前の段階でも、同様に税負担の増加対象となります。

加えて、倒壊や屋根材の飛散、害虫の繁殖、ごみの散乱などにより、近隣住民の安全・衛生・景観を損ねると判断されると、「助言」「指導」「勧告」「命令」と行政が段階的に介入し、最終的には過料(最大50万円以下)の処分や行政による強制解体(代執行)が行われ、その費用負担は所有者に請求される可能性があります。

さらに、空家をそのままにしておくと老朽化が進行し、雨漏りやシロアリ被害、植栽の繁茂などで修繕コストや管理負担が増大し、売却時の資産価値も低下します。放置が続けば、近隣とのトラブルや賠償責任にもつながる恐れがあります。

こうしたリスクを避けるためには、できるだけ早めの対応が安心を生みます。例えば、売却によって固定資産税の支払いや管理負担がなくなりますし、解体や更地化による近隣への影響軽減も期待できます。加えて、相続に伴う空家であれば、売却により「譲渡所得3000万円特別控除」など税制上の優遇を活用できる場合もあります(要件あり)。このように、早期に売却相談や行動を起こすことが、安心と負担軽減につながります。

リスクの種類 内容 早期対応の効果
税金負担 特例除外により固定資産税が最大6倍 売却により税負担が消滅
法的ペナルティ 過料や行政代執行による解体費用請求 放置前の相談で回避が可能
資産価値の低下 老朽化・損傷により修繕や売却価格に影響 早期売却で高値や選択肢の確保が可能

まとめ

空家の売却を検討している方に向けて、その特徴や売却時の注意点、費用、手続きの流れについて解説しました。空家の売却方法には仲介や買取、自治体の空き家バンクなどさまざまな選択肢があり、ご自身の希望や状況に応じた判断が大切です。また、税制優遇や補助金制度など、思わぬコスト削減につながる制度も多く存在します。空家を長期間放置すると税負担やリスクも増えるため、早めの準備と行動が安心へとつながります。迷った際は専門家へ一度ご相談ください。

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